コラム

企業のTOPに知って欲しいこと〜SNS運用担当を指名された日に〜

2020.08.24

こんにちは、ディレクターの岡田です。

SNS活用についてのサポートをさせていただくと、たまに遭遇することがある
会社トップと運用担当との“意識のズレ”について今回は書かせていただきます。

あなたどっち?「トップダウン型」or「ボトムアップ型」

近年では、SNSをマーケティングの一部として活用、またはSNSメインで活用されている企業と様々あります。
どの会社も始まり方は様々です。

社長から、あるいは上司から指示されてという「トップダウン型」と、
運用担当発案で活用し始めた「ボトムアップ型」と大きく分けて2通り。

運用担当発案の場合は、自社に必要だという意識と使命感を持って始められたので、
担当者自身がとても意欲的で、積極的に活用をしているという印象です。
アドバイス程度の助言をさせていただくだけでも、最も有効的な自社のSNS活用の方法への筋道を作れます。

一方、社長の思いつきのトップダウン型の場合には前述させていただいた“意識のズレ”はもちろんのこと、
もう一つの“ズレ”、なんだかわかりますか?

上層部世代の方々は、若い世代は誰もが簡単にSNSを使いこなせると思っていらっしゃるところがあるようです。

ですが、私の印象として、20-30代世代でも、プライベートでSNSを全くやっていない層は案外いるもので、
またはアカウントは持っているけどSNSについてそんなに使いこなせていない、という方もいます。

上層部世代の方々、もしかすると、あなたの方がSNS使いこなせているかもしれませんよ。
若い女性のイメージがあるInstagramは、50代以上の男性ユーザも活用しているサービスでもあるくらいですから。

SNSを任せるとき、理想は立候補で決めるのがいいかもしれません。
ですが、それでも手が上がらないときは指名制になりますが、「若いから」という理由だけで決めないほうが、
いずれは御社のためになる、と思います。

「トップダウン型」にありがちな勘違い

では、少し気をつけたほうがいい「トップダウン型」の場合に、トップの方はもちろん、
任せられた運用担当の方にも一度知っておいて欲しいことがあります。

SNSの運用代行や解析ツールを提供するテテマーチ株式会社が運用する「SINIS」が、
2020年3月に行なったSINISのユーザ(SNS運用担当者)252名を対象にしたアンケート結果は、
まさに“意識のズレ”が大きく出ているなと感じました。
※SINISはInstagram専用の解析ツール

「会社が勘違いしていると思うこと」のアンケート結果がこちらです。

全体の80%の担当者が「インスタグラムを活用している中で、会社から求められたことで違和感を覚えたことがある」と回答したようです。
現場と会社の認識に大きな乖離があることがわかります。

この結果を、個人的感想で一言付け加えると、こんな印象です。

・50%のユーザの回答
✔︎「すぐに売上や集客に影響する」
  これが最も多い勘違いです。SNSは広告ではありません。無料でスタートできるところがSNSのいいところで、
  計り知れない力を持っているのがSNSのすごいところですが、結果は簡単にはついてきません。
  長くコツコツとじっくり付き合うのがSNSです。

・47%のユーザが回答
✔︎「コストをかけずに成果に繋がる」
  そもそもSNSは、企業のためではなく誰もが楽しめるツールとして誕生しました。
  入り口は無料で、その運用の成功度合いで、成果につながります。ただ、コツコツが大切なSNSにおいて
  短期的な結果を求める場合は、コストをかける=広告の出稿を検討するのがベストです。

・35%のユーザが回答
✔︎「フォロワー数が一番重要な指標」
  例えば、広告やキャンペーンなどで一気にフォロワーが増えたとして、そのユーザの質はいかがでしょう。
  SNSは懸賞用として開設しているアカウントも多数あり多くの懸賞目当てのユーザはそのアカウントで応募をします。
  心からその企業が好きでフォロワーになったかというと、必ずしもそうではないのかもしれません。
  フォロワーは“量より質”を大切に。

・29%のユーザが回答
✔︎「単なる画像投稿のための媒体」
  これは、例えば全ての写真の質やクオリティにこだわり写真集を作るイメージで運用している場合は
  いいですが、企業アカウントなのに関係のない画像を入れるなどすることで、
  そのアカウントのキャラクター像やトンマナが崩れます。運用方針に沿った画像であるべきです。

・18%のユーザが回答
✔︎「世界観を無視した投稿でも大丈夫」
  これは、前述の回答とも関係していますが、企業がSNSを始めるとき、一番最初にすることが「運用方針の策定」です。
  それに沿った内容であるべきなのでそのアカウントの世界観を崩すことはしない、というのが鉄則です。

・17%のユーザが回答
✔︎「流行っているのでとりあえずやる」 
  きっかけは例えこれであっても、その後策定した運用方針次第で意味あるものになるのかならないのかが決まります。
  運用方針を定める際に、KPI/KGIも決めますが、何のためにSNSに取り組むのか、SNSをやって何がしたいのかを
  きちんと定めてからスタートしましょう。
  開始を急ぐより、意図を明確にし上手に付き合う方が成功の可能性が上がります。

SNSは会社のファンを作るためのもの

ではSNSは何のためにやるのか。

それは、「会社の好意度をあげ、ファンを育成するもの」であると考えます。

SNSを始めて
「どれだけの売上につながりますか」 「どれだけ集客しますか」
という質問にはお答えできないのが正直なところです。
SNS広告のように、ある程度結果が見えているものについては別ですが、
立ち上げたその先に、どういう結果が待っているのかは本当に運用次第なのです。

SNSを立ち上げ、運用をコツコツ行い、ファンを増やし、
そのファンとのつながりを大切に、自社のことを商品のことをもっと知ってもらうという気持ちで発信をしていく。
そしてそれらの投稿の積み重ねを通じてこの会社って面白い・いいじゃんと思い、その会社を好きになる。

そうすることで例えば「いいね!」をしたり「コメント・シェア」をしてくれるかもしれません。
そうすると、その人の友達にも広がります。
その結果、たくさんの人にみられることで、それが例えば購入につながったり、来店につながったりするかもしれません。

会社のファンを作ることは、とても心強いこと。
そういった感覚でSNSと上手に付き合っていくことが、運用を成功させるポイント、
そしてSNSとの正しい付き合い方です。

SNS運用担当を任命されたときには、ぜひこちらのコラムも参考にしてください >> 企業SNS運用のコツとは

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