コラム

マーケティング視点が大切。人材採用における「ウェブメディア」戦略

2020.12.27

こんにちは、営業の松沢です。

新型コロナウィルスの影響により、2020年の採用活動は今までと大きく変化を遂げました。
各社、先行きの見えない情勢を危惧したり、世界的な経済活動の鈍化等のあおりを受けた業績悪化などから採用活動の停止を行った企業も少なくありませんでした。
また、それだけでなく感染予防の観点から、対面での説明会・面接の機会はぐっと減り、各社その対応に追われた年でもありました。

そのような1年を経験した私たちは、「あれ? 意外とウェブでもいろいろできる」と気づかされ、リモートでの打ち合わせや面接・説明会がごく普通になりました。
さて、では実際には採用活動はどのように変わったのでしょうか。本コラムでは、就職・転職メディアの動向から、その情報を探ってみたいと思います。
 

2020年就職・転職メディアの動向

就職・転職メディアのユーザー数ランキングを調べてみると、1位「indeed(インディード)」、2位「dジョブ」、3位「DODA(デューダ)」、4位「リクナビNEXT」、5位「タウンワーク」、6位「マイナビ転職」となっており、ハローワークのサイトは20位でした。

老舗サイトが上位に並ぶ中、比較的新しいサービスとしては「indeed」と「dジョブ」がランクインしています。

「dジョブ」は、docomoが2017年秋から開始した求人関連サービスで、アルバイト・派遣社員・正社員の求人情報を検索・応募をすることができ、docomoユーザーはもちろん他キャリアからも手軽にアクセスできるサービスです。

「indeed」は、2017年のTVCM開始により一気に知名度をあげました。「求人検索エンジン」であると明言していることからも分かるように、他の求人サイトとは性格が異なり、各企業から求人情報を無料あるいは有料で求人情報を登録する他に、ハローワークなどの求人サイト、新聞メディア、各種団体、企業の採用ウェブページなど、数千とも言われるウェブサイトを巡回し、求人情報を収集して情報掲載を行っています(*1)。掲載に際しての契約料などの初期コストも不要です。求職者からの応募方法も「Indeedカンタン応募」「Indeed履歴書応募」と2つがあり、アルバイト応募の場合・正社員応募の場合などで使い分けることができます。
*1 その掲載ロジックは日々移り変わっています。

▼就職・転職関連メディアランキング(2020年11月:PC/SP)
就職・転職関連メディアランキング
 

新型コロナ流行後も堅調なアクセスを維持するindeed

さて、前年同月と比較すると「indeed」と「DODA」がユーザー数を伸ばした一方、老舗求人サイトである「リクナビNEXT」、「マイナビ転職」、「ハローワーク」のサイトは軒並みユーザー数を落としています。

直近1年間のユーザー数を「indeed」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」「ハローワーク」「dジョブ」にて比較してみると、堅調にユーザー数を維持・増加させているのが「indeed」です。2020年4月から7月まではいずれのサイトもアクセスが停滞気味だったものの、8月以降に大きく回復しています。

ユーザーの属性を確認してみます。
各サイトのユーザーの利用地域(比率)を見てみると、即戦力となる転職世代である20代から30代を多く集めているのは「indeed」「リクナビNEXT」「マイナビ転職」の3サイトであることがわかります。職業別では、いずれのサイトも一定数の「会社勤務(一般社員)」が多く、一定数の転職希望者が閲覧しているであろうことが推察できます。

さらに、アクセス元の地域を確認すると人口比からも関東圏が最も多くなっていますが、私たちの暮らす中部地方では、「indeed」が最も多く、次いで「リクナビNEXT」「dジョブ」となっています。

経営者の皆様と話をしていると、TVCMの影響かと思いますが「indeedってバイト情報でしょ?」とおっしゃる方が多くいらっしゃいますが、実は転職希望者も多く見ているのです。




 

採用情報の入り口は求人メディア、応募動機の裏付けは企業公式サイト

「indeed」は、メディアの特性上、画一フォーマットで情報掲載を行っています。そのため、条件以外はこのサイトで知ることは難しくなっています。

▼indeed掲載事例

 
そこで、求職者が参照するのが、企業のホームページや企業の公式SNSです。
ホームページやSNSを閲覧し、会社の雰囲気や文化・実施している業務内容を読んで、応募するかどうかの検討に至ります。
ですから、ホームページに書いてある内容は適正かどうかが重要になってきます。

● ホームページがない企業=怪しい企業と疑われる
● 情報が古い・雰囲気が古めかしい場合は、ここで働くのは嫌だなと受け取られがち

せっかくメディアで貴社を見つけてもらっても、企業説明会や会社訪問が思うようにかなわない今、「働きたい!」と思ってもらえるかどうかは、実は企業サイトの充実度や情報発信の充実度にかかっています。
つまり、ウェブを使った採用というのは、総合的な戦略であり、求人広告をしたから大丈夫・ハローワークに掲出したから大丈夫ということはないのです。

 

ウェブ戦略的な発想が大事

2021年以降もスタンダードになるであろう「ウェブ採用」。
このようなマーケティングデータを少し参照するだけで、考え方が変わることがあります。

今まで、転職採用だったらハローワークと考えていらしたかもしれません。でも、indeedとハローワークでは、ユーザー数で4倍強、閲覧数では10倍以上も異なります。
ハローワークがダメと言っているわけではなく、若者世代に対して、広く求人を行うのであれば、indeedの方が効果が出るのではないかという仮説に基づき戦略を立てるのが良さそうですよね。

どのメディアを利用し、どの世代に、どのような求人を行うか、それは各社のニーズにより異なります。貴社の戦略を見直してみませんか。ファインピクサーでももちろんお手伝いさせていただきます。

参考サービス:
全国のモニター会員(20代以上)の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用しています。